「うちって対象？」と気になったあなたへ。給付金と減税のお話し

3万円の給付金って、名前だけ聞くと「そんなのニュースで見た気がするけど、自分には関係ないかも...」とスルーしてしまいがちです。でも、こういう支援制度って、本当に必要な人にこそ届きにくいのが現実。自治体からの封筒を「また広告か」と思って捨ててしまう...なんて声も少なくありません。

「定額減税」という似た名前が出てくると混乱しがちですが、今回は〈非課税世帯向けの現金給付〉だと覚えておけば大丈夫。詳しい比較は後段の解説でまとめています。

だからこそ、「自分は関係ない」と思い込まず、一度チェックしてみることをおすすめします。特に非課税世帯の方は、申請をしないともらい損ねる恐れがあるので、届いた通知の内容や自治体サイトの案内を早めに確認しておくと安心です。

「住民税非課税世帯」とは、世帯の全員が住民税を納めていない世帯のことを指します。収入が一定以下の場合に該当し、たとえば年金だけで生活している高齢者や、パート・アルバイト収入が少ない家庭などがこれに当たることがあります。

よく誤解されがちですが、「税金を払っていないからズルい」といった話ではなく、所得が生活保護ラインに近いなど、そもそも税金を支払うだけの余裕がない層に向けて支援が用意されているという考え方です。

住民税には「均等割」と「所得割」があり、どちらも免除されているかどうかで「非課税世帯」と判断されます。

定額減税は、所得税3万円＋住民税1万円を、納税者本人とその扶養家族の人数分だけ減税する制度。つまり、働いていて税金を納めている人が対象です。サラリーマンや自営業者など、毎月の給料や確定申告で納税している人が恩恵を受けられます。

この定額減税は、物価高対策として2024年（令和6年）分の所得税と2025年度分の住民税に限り、納税者本人と扶養家族1人あたり所得税3万円＋住民税1万円を一度だけ減税した臨時措置でした。

一方、「住民税非課税世帯への給付金」は、税金を納めていない人（低所得層）を対象としています。こちらは"減税"ではなく"現金給付"であり、減税の恩恵が届かない人をカバーする役割を果たします。

さらに、定額減税で控除しきれない場合は「不足額給付」（いわゆる定額減税補足給付金）が追加で支給される仕組みになっており、両制度が連携して低所得世帯をカバーします。

支給方法は自治体によって異なりますが、基本的には3パターンあります。「申請不要で自動支給」「確認書に記入して返送」「申請書を自分で提出」のいずれかです。過去の給付金で自治体が口座情報を把握している場合は、自動的に振り込まれるケースもあります。

ただし、転入したばかりだったり、家族構成が変わったばかりの方などは、自動支給の対象外となることもあるため、通知が届いたら中身を必ずチェックするのが鉄則です。

また、期限を過ぎてしまうと支給されない場合もあるので、届いたら"すぐ確認"が鉄則です。

物価高騰の影響が長引いている中、特に食料品や光熱費の値上がりが生活に直撃しています。こうした「現実的な負担」を緩和するために、政府は「即効性のある現金給付」を選んだのです。

税金の減免ではタイムラグがありますが、現金給付であれば「すぐに使えるお金」が手元に届きます。とくに、生活費のやりくりがギリギリな家庭にとっては、たとえ数万円でも救いになるという考え方が背景にあります。

政府としては「消費を冷え込ませたくない」「生活困窮者の声に応えたい」など、複数の狙いがあるのです。