仕事の愚痴ばかり言う同僚にうんざり...あなたの心を守る対処法とは？

職場に一人はいる、何かにつけて仕事の愚痴ばかり言う同僚...聞かされるこちらは本当に疲れてしまいますよね。会うたびにネガティブな話ばかりでは気分も沈んでしまい、「またこの人の愚痴か...」と憂鬱になるのも無理はありません。毎日繰り返される愚痴にうんざりしてしまう――そんなあなたは決しておかしくありません。まずは、そのつらい気持ちに「あなただけじゃないよ」と共感させてください。

実は、愚痴などネガティブな感情は周囲に伝染すると指摘されています。愚痴ばかりの同僚がいる職場では一日の雰囲気が悪くなり、周りもストレスを感じやすくなるものです。さらに愚痴の多い職場では「愚痴の連鎖」が起こり、周囲まで不満を言いやすくなると報告されています（同上）。あなたが毎日ヘトヘトに疲れてしまうのは、決して気のせいではありません。それほどまでに、他人の愚痴を聞き続けることは心の負担になるのです。

「どうしてこの人はそんなに愚痴ばかり言うんだろう...？」とうんざりしつつも、不思議に思ったことはありませんか。実は、いつも不平不満ばかり口にする人にはいくつかの心理的特徴が指摘されています。まず、そうした人は総じて不満やストレスを溜め込みやすい傾向があります。

細かいことによく気付き、嫌な出来事があると必要以上に強く反応してしまうため、いつも何かしら不満を抱えている状態になりがちです。また、自己肯定感が低く自分に自信が持てない人も愚痴が多くなると言われます。自分に自信がないぶん他人に対して不満を抱えやすくなり、結果として周囲への不平不満を口にしがちなのです。

さらに厄介なことに、愚痴は習慣化しやすい面もあります。ネガティブな感情を繰り返し吐き出し続けると脳がその思考回路を強化し、いわば「ネガティブ習慣」から抜け出しにくくなることが神経科学の観点から示唆されています。

常に不平不満を言う人は問題の解決策より不満そのものに意識が向きやすく、悪循環から抜け出しにくくなるとされています。つまり、愚痴ばかり言う同僚は「不満を抱えやすい気質」＋「ネガティブ思考のクセ」によって、半ば無意識に愚痴を繰り返していることが多いのです。

とはいえ、同僚が愚痴ばかり言うのにはそれなりの理由や背景もあるかもしれません。職場で理不尽な状況やストレスフルな出来事が続けば、誰だって不満の一つも言いたくなるものです。上司の指示が曖昧で仕事の優先順位がわからない、引き継ぎが不十分で業務に支障が出ている、同僚との競争や給与の差に納得がいかない...など、様々な職場要因が重なると人は愚痴をこぼしやすくなります。

また、「自分は頑張っているのに評価されていない」「あの人ばかり楽をして不平等だ」といった周囲への不満や嫉妬が募っているケースもあるでしょう。

さらに、愚痴を言う人にとってはそれがストレス発散の手段になっている可能性もあります。人に話を聞いてもらえる安心感や、共感してもらえることで多少なりともストレスが軽減される――その繰り返しで愚痴を吐くこと自体が習慣化してしまっているのです。周りが優しく聞いてくれるほど、「話せば楽になるからまた愚痴を言おう」と無意識に学習してしまい、延々と愚痴を繰り返す悪循環に陥っているのかもしれません。

もちろん、愚痴の中には仕事を進める上での改善のヒントが含まれている場合もありますが、それも建設的に活かされなければただの不満の垂れ流しです。こうした心理や環境要因が組み合わさり、同僚はつい愚痴ばかり口にしてしまっているのでしょう。

他人の愚痴を全て真に受ける必要はありません。同僚の不満はあくまでその人の感じ方・考え方であって、あなた自身の評価や職場の事実そのものとは限らないのです。ですから、「また始まったな...」と思ったら心にバリアを張るようなイメージで、「これは自分の問題じゃない」と割り切ってしまいましょう。

特に、上司や同僚の悪口混じりの愚痴を安易に鵜呑みにして「それはヒドいね！」「わかる、○○さんってダメだよね」などと同調してしまうのは危険です。軽々しく同意してしまうと、あなた自身の評価まで下がってしまったり、人間関係のトラブルに巻き込まれてしまったりしかねません。愚痴には適度に相槌を打ちつつも、「そうなんだ」と話半分で受け流すくらいのスタンスが丁度よいのです。

また、「なんとかしてあげなきゃ」と必要以上に背負い込まないことも大切です。愚痴が多い人は基本的に問題解決より不満そのものに意識が向いているため、周囲がいくら助言やサポートをしてもまたすぐ元の木阿弥になってしまうケースが多いそうです。あなたの力で同僚の愚痴癖を治してあげようと無理に頑張る必要はありません。それよりも、「自分までネガティブにならないようにしよう」という意識を持って、自分の心の平穏を第一に考えてくださいね。

愚痴ばかりの同僚に対しては、聞く姿勢と受け流す姿勢のバランスが肝心です。頭ごなしに「もう愚痴は聞きたくない」と突き放すのは角が立ちますが、かといって真面目に全部付き合っていたらこちらの身がもちません。

まずは「そうなんだね、大変だね」と相手を否定せずに共感を示しつつ話を聞くことが大切ですが、その際も単に相槌を打って延々と同調するのは避けましょう。適度なところで「ふーん、そうなんだね」と受け流し、深入りしないことです。

同僚の中には、ただ「話を聞いてほしいだけ」の愚痴という場合もあります。そのようなときは、下手にアドバイスをしたり議論したりせず、相槌を打ちながら「うんうん、そうなんだ」と世間話半分に受け止めてあげるのがベターでしょう。

一方で、誰かを攻撃するような愚痴の場合は前述の通り注意が必要です。相手の言うことを肯定も否定もしすぎず、「そういう考え方もあるんだね」程度に中立的な返事に留めておきます。決してその場のノリで一緒になって他人の悪口を言ったりせず、自分のスタンスは崩さないようにしましょう。

愚痴が長引きそうなときや同じ話を何度も聞かされているときは、上手に会話の方向を変えてみるのも一つの手です。タイミングを見計らって「ところで最近○○はどう？」と全く別の話題を振ってみたり、「それで結局どうなったの？もう何か対策は試したの？」と具体的な質問を投げかけてみたりして、愚痴のループに割って入ります。

実際、「話をそらす」「相手に質問をする」といった対処は愚痴への賢い切り返し術として紹介されています。単に不満を言いっぱなしの状態から一歩踏み込んだ問いかけをすることで、相手もハッと我に返り問題解決思考に切り替わるかもしれません。

例えば、ライフハッカーの記事では、いつものように不満をぶちまけに来た同僚に対し途中で「あえて『この話のゴールは何かな？』と聞いてみましょう」というユニークなアドバイスが紹介されています。意地悪で言うのではなく、「何をしてほしいのか」「何を達成しようとしているのか」を明らかにする問いかけをすることで、相手に問題解決のきっかけを与える意図があります。唐突に感じるかもしれませんが、いつもと違う切り返しをすることで愚痴ペースを中断し、建設的な方向へ軌道修正できる可能性があります。

また、自分から愚痴の時間に区切りをつけることも大切です。愚痴っぽい同僚は「誰かが聞いてくれる」となると際限なく時間を奪ってしまいがちなので、「○時になったら席を外さなきゃ」「あと5分で仕事に戻らないと」などと自分でタイムリミットを決めておくと安心です。

ある職場では週に一度15分だけ「愚痴ミーティング」を設けて一気に不満を吐き出す試みをしていたり、極端な例では愚痴を聞きに来た同僚に対しキッチンタイマーを10分にセットして時間が来たら強制終了する、なんてユニークな対処をした人もいます。

さすがにタイマー作戦は真似しにくいかもしれませんが、「〇分経ったら切り上げる」という意識を持つだけでも、だらだらと愚痴に付き合わされて消耗する状況を防ぎやすくなるでしょう。

あれこれ工夫しても同僚の愚痴が止まらず、あなた自身が限界を感じてしまう場合は、思い切った対応も検討しましょう。毎回同じ愚痴に付き合わされるのは辛いですし、そのせいであなたの仕事に支障が出てしまっては本末転倒です。「ごめん、ちょっと今は集中したいから」「最近その話題ばかりで正直しんどいかも...」といった具合に、自分の気持ちを正直に伝えてみるのも一つの方法です。直接「愚痴をやめて」と言うのはハードルが高いかもしれませんが、遠回しにでもあなたの本音を知れば相手もハッとするかもしれません。

また、物理的・心理的に距離を置くことも時には必要です。ランチや休憩をなるべく別の人と過ごす、席替えが可能なら環境を変えてみる、あえて忙しそうに振る舞ってそもそも話しかけられる隙を減らす...できる範囲で構いませんので、自分を守るための距離をとりましょう。なお、専門家によると「同じ愚痴に何度も付き合わないという線引きを明確にすること」が有効な対策の一つとされています。それくらいハッキリ態度を示してしまった方が、相手も「あ、この人にはもう愚痴を言っても無駄かな」と悟ってくれる可能性が高いのです。

自分一人で抱え込まず、周囲に頼ることも検討してください。同じ部署の信頼できる同僚に相談してみる、上司に職場環境の改善を提案してみるなど、しかるべきところに助けを求めるのも立派な対処法です。あなたばかりが我慢する必要は決してありません。職場での人間関係ですから難しい面もありますが、あなた自身の心と業務への影響を最優先に考えて、時には勇気を持って距離を置いてくださいね。

最後に、愚痴ばかり言う同僚に振り回されないためのポイントを簡単にまとめます。

同じような問題に悩まされている人はたくさんいますし、きっとあなたの気持ちを分かってくれる味方もいるはずです。愚痴に負けない心の持ち方と対処法を身につけて、どうかあなたらしく前向きに毎日を過ごしてくださいね。応援しています。