結婚=幸せは思い込みだった!家事=女の仕事...夫の無自覚な偏見に冷める心

結婚すれば、自然と幸せになれる。そう信じていた頃は、家事を一人で抱えていることも「仕方ない」で済ませられた。でも共働きで同じように働いているのに、家事の重さは私ばかり。夫は「手伝うよ」と笑うけれど、その言葉がかえって心を冷やす。どうして家事は"女の仕事"なの? どうしてそれを疑いもしないの? ふとした瞬間、思ってしまう。この結婚、幸せって言えるのかな──。無意識の偏見と、その奥にある"思い込み"が積み重なるとき、心の中で何が起きているのか。静かに、自分の本音と向き合ってみませんか。

  • 共働きなのに、私ばっかり──どこでバランスが崩れた?
  • 夫が「気づいていない」ことが、なぜこんなに苦しいのか
  • 話し合っても変わらない夫に、どう向き合えばいいのか
  • 自分を守るために、「選ぶ」ということ
結婚=幸せは思い込みだった!家事=女の仕事...夫の無自覚な偏見に冷める心
2025/06/13

共働きなのに、私ばっかり──どこでバランスが崩れた?

最初は助け合えると思っていたのに、なぜ"私だけ"が当たり前になったのか

結婚したばかりの頃、あなたも「これからは二人で支え合っていこう」と思っていたのではないでしょうか。実際、最初は夫もよく動いてくれて、頼りがいを感じる場面もあったかもしれません。

でも、生活が落ち着き、仕事や育児に追われるようになるにつれて、ふと気づくことがあります。気がつけば、家の中のことは"ほとんど自分がやっている"。何かが決定的に変わったわけではないのに、いつの間にか負担が偏っていた。そんな感覚に心当たりはありませんか?

「私のほうが早く帰れるから」「慣れているから」と引き受けていた家事や育児が、いつの間にか"あなたの担当"になっていく。夫が「ありがとう」と言ってくれたのは最初だけ。最近は、何かをやっていないと「まだやってないの?」と催促されることさえある。

共働きで収入も分担している。それなのに、家の中では"妻がメインで回すのが当然"という空気が漂っている。この不自然さを、どう言葉にしたらいいのか分からないまま、あなたは今日も家事に追われていませんか?

お願いすればやってくれる。でも、そのお願いすら、気を使い、タイミングを見計らって伝えなければならない。「なんで私が"指示役"までやってるの?」というモヤモヤが、積もっていくのは当然のことです。

このモヤモヤの厄介なところは、夫が悪気なく無自覚であること。だからこそ、言いづらいし、伝わらない。言っても分かってもらえなかったときの虚しさが怖くて、あなたは言葉を飲み込んでしまう。その繰り返しが、少しずつ心をすり減らしていくのです。

見えない家事が積もると、心は静かに削れていく

家事分担を話し合うとき、「見える家事」だけが話題にされがちです。たとえば、洗濯、食器洗い、ゴミ出し──分かりやすい作業だけを紙に書き出して「誰が何をするか」と相談していませんか?

でも実際は、そのリストに載らない"名もなき家事"こそが、あなたの負担になっているはずです。

  • 子どもの持ち物の準備や確認
  • トイレットペーパーや洗剤の在庫管理
  • 冷蔵庫の中身を把握しながら献立を考える
  • 季節の変わり目に衣替えをする

こうした細かい作業は「やった」と表現しづらいけれど、"考えて気づいて段取りしておく"という精神的な労力を伴います。そして、それを担っているのは多くの場合、妻側です。

あなたも経験があるのではないでしょうか。夫が「洗濯は俺の担当」と言う。でも実際には、洗剤の補充、干し方の工夫、取り込みのタイミング、畳んでしまう作業──すべてを一貫して行うのはあなた。しかも、何も言われない限り、その違いに気づかれることはありません。

やがて、「やってくれるけど、結局こっちが管理してる」という状態になり、精神的にも責任を引き受け続ける日々が続きます。マネージャーと作業員を同時にこなしているような感覚、それが"家事の本当のしんどさ"ではないでしょうか。

さらに厄介なのは、この疲労感が「家庭の中では当たり前のこと」とされがちなこと。誰かに相談しても「うちもそんな感じだよ」「男の人ってそんなもんだよ」と返されてしまえば、"悩んでいること自体がおかしいのかもしれない"と、自己否定のループに入りかねません。

でも、これはおかしくない悩みです。あなたが疲れているのは、わがままだからでも、忍耐が足りないからでもありません。見えない家事の過重労働が、あなたの時間と心の余白を確実に奪っている。まずはその現実に、はっきりと名前をつけていいのです。

夫が「気づいていない」ことが、なぜこんなに苦しいのか

"悪気のなさ"が、一番つらい

家事のことでモヤモヤしたとき、あなたは夫に話してみたことがあるかもしれません。

「最近、私ばかりやってる気がするんだけど」「もうちょっと協力してくれたら嬉しいな」──そんなふうに、なるべくやわらかい言い方で。でも返ってきたのは、「やってるつもりだけど?」「俺だってゴミ出してるし、洗濯もやってるじゃん」そんな言葉だったりしませんでしたか?

あなたは責めたかったわけではない。ただ、「つらい」「一人で抱えるのがしんどい」と伝えたかっただけ。でも、そう受け取ってもらえなかった。そのとき感じた、心がスーッと冷えていくような感覚──あれが、一番つらいのです。

夫はきっと、本当に「悪気はない」のでしょう。でもそれがかえって苦しい。なぜなら、「気づいていない」からです。

家のことは「やるように言われたからやる」。でも、「なぜ今それが必要なのか」「どんなふうに気を配っているのか」には目が向いていない。やっていないことを責めたいんじゃない。ただ、やっていないことに"気づいていない"という無関心が、あなたを深く傷つけているのです。

たとえば、夕食の準備を終えたあなたが、テーブルに食器を並べている。隣の部屋では夫がスマホを見ながら、「夕飯、何?」と聞いてくる。目の前にあるものを見ようとせず、無意識に"誰かがやってくれる"前提で行動している。

こんなとき、ただイラッとするだけではありませんよね。「私のやっていることが、まるで存在しないかのように扱われている」ような虚しさ。それが、心を静かに削っていくのです。

それでもあなたは、日々やるべきことをこなしている。疲れていても、体調が悪くても、子どもがぐずっていても、「誰かがやらなきゃ」という思いで動いている。その頑張りを「当然のこと」として流されてしまったとき、誰だって張りつめていた糸が切れそうになります。

感謝がほしいわけじゃない。褒めてほしいわけでもない。ただ、「見えているよ」「わかってるよ」と言ってほしい。

家事は、"作業"の積み重ねだけではありません。その背景には、時間のやりくり、気遣い、先回りの配慮、何より「家族が心地よく過ごせるように」という思いがあります。そこに目を向けてもらえなければ、「自分がやっていることは、誰にも届いていない」という孤独に飲み込まれてしまうのです。

話し合おうとしても、夫に「そんなに怒らなくても」と言われてしまえば、それ以上は言葉を続けられません。「怒ってるんじゃなくて、苦しいんだよ」──本当は、そう叫びたかったかもしれません。

あなたの気持ちは、正しいです。わがままではありません。察してくれない夫を責めたいわけじゃない。ただ、自分の存在と日々の努力が「見えていてほしい」と願うことは、ごく自然な感情です。

そしてその願いが届かないとき、人は心のなかで「もう期待するのはやめよう」と少しずつあきらめていきます。その先にあるのは、爆発でもなく、怒りでもなく、静かに心が離れていく"感情の終わり"かもしれません。

だからこそ、「やってないこと」ではなく「気づいていないこと」こそが、あなたにとっての一番の痛みなのです。

自分ばかり我慢してきた結果、どうなるのか

「話してもムダ」と思いはじめたとき、心は離れはじめている

たぶん、あなたも何度かは伝えようとしたはずです。「私ばかり負担が多い気がする」「たまには先に気づいてほしい」と、勇気を出して言葉にしたことがあるのではないでしょうか。

でも、返ってきたのは、「じゃあ何をやればいいの?」「そんなに怒ること?」という冷たい一言。あるいは、「わかった、手伝うよ」と言いながら、数日経てば元通り。あなたの気持ちを受け止めてもらえた実感はなく、ただ"表面的に納得させられた"だけだった。

そうやって何度もすれ違いを繰り返すうちに、少しずつ心が閉じていくのです。「話してもわかってもらえない」「もう、どうでもいい」と思いはじめたとき、それは"あきらめ"ではなく、"感情の終わり"の始まりかもしれません。

喧嘩するほどの激しさはない。でも、お互いに興味も期待も持たなくなる。そうして進んでいく「静かな関係の終わり」は、ある意味とても穏やかで、けれどとても深刻です。

外から見れば、普通の家庭に見える。表面上は穏やかにやっているように見える。でも、心のなかではもう、"一緒に生きていこう"という気持ちがしぼんでいる。そんな状態に陥っている夫婦は、実は少なくありません。

「離婚したい」と思っているわけじゃない。ただ、今のままじゃ、ずっとこの不公平感と孤独感に耐えていかなければならない気がして、それが怖くなる。「何も起きないけれど、何も変わらない日々」ほど、心を摩耗させるものはないのです。

怒りと罪悪感のあいだで、自分を責めてしまう日々

我慢してきた分、ふとした瞬間にイライラが爆発してしまうこともあるでしょう。大きな声を出してしまったり、冷たい態度をとってしまったり。そのあとにやってくるのは、たいてい強い自己嫌悪です。

「私、また怒ってしまった」「どうしてこんなふうになっちゃうんだろう」──そうやって、自分の心の限界を"わがまま"や"未熟さ"として捉えてしまう。けれどそれは、怒りっぽくなったのではなく、限界がきているというサインです。

怒りは、もっともわかりやすい"助けを求める感情"の表れです。でもその怒りが伝わらなかったり、否定されたりすると、今度は自分の中にその怒りを押し込めてしまう。そして次に現れるのは、「私が悪いのかな」「感謝が足りないのかな」という罪悪感です。

実は、ここに一番の落とし穴があります。相手に理解されなかった苦しみを、自分で否定してしまうループ。この状態が続くと、「自分の感情を信じてはいけない」と思うようになり、やがて何も感じなくなってしまう。

笑っているけど、心が無風状態。涙も怒りも出ない。誰かに相談されても「大丈夫」とだけ答える──そうやって、"頑張る自分"を装いながら、内側ではどんどん消耗していく。

だからこそ、自分の怒りや悲しみを「感じてはいけないもの」として封じ込めないでください。あなたが感じていることは、ちゃんと意味がある。そこにフタをし続けることこそが、心にとって一番の負担になるのです。

結婚したら幸せになれるというのは思い込みだった!理想と現実のギャップでストレスを抱える30代女性 画像作成:暮らしと生活便利館

話し合っても変わらない夫に、どう向き合えばいいのか

人は、言われただけでは変われない

「何度話しても変わってくれない」──そんな悩みを抱えている人は、本当に多いです。

あなたも、できる限り冷静に、丁寧に、言葉を選んで伝えようとしたのではないでしょうか。でも、伝えた直後だけ少し手伝ってくれて、数日経てばまた元通り。そんな"繰り返し"に、もう何度も傷ついてきたかもしれません。

でもそれは、あなたの伝え方が悪かったわけでも、気持ちが重すぎたわけでもありません。そもそも人は、「ただ言われただけ」で変われるものではないのです。

たとえば、あなた自身も「もっと自分の時間を大切にしよう」「無理をしすぎないようにしよう」と思っていても、なかなか難しかったりしませんか?それと同じで、人は"頭でわかっていても、行動が追いつかない"ことがよくあるんです。

ましてや、家事や育児に無自覚な夫の場合、「自分が何に気づいていないのか」にも気づけていない状態です。そこから一気に価値観を変えるのは、思っている以上に難しい。

これは「仕方がない」と諦めろという意味ではありません。大切なのは、「相手を変えること」だけに意識を向けすぎないことです。"相手が変わらない前提でも、あなたが少し楽になる方法"を見つける視点を持つこと。それが、心を消耗させずに向き合うための第一歩になります。

「変えてもらう」より「自分の枠を決める」

話し合っても夫が変わらないとき、つい「もっと伝えなきゃ」「わかってもらわなきゃ」と焦ってしまいますよね。でもその思いが強くなるほど、伝わらない現実に傷ついてしまう。そこで、視点を少し変えてみてください。

たとえば、「私がやる家事の範囲はここまで」「この時間帯は自分の時間にする」といったように、自分の"枠"を明確にしておくのです。

たとえば、こんな考え方です:

  • 「夕飯の後片付けは交代制にしよう。私がやった日は、次は夫にやってもらう」
  • 「週末の朝は、家事をしないと決めて、1人でカフェに行く時間にあてる」
  • 「子どもの送迎は週3回までにして、それ以外は相談する」

これはわがままでも放棄でもなく、"心が潰れてしまわないための境界線"です。

人は、「どこまで頑張ればいいのか」がわからない状態が一番しんどいんです。だからこそ、「ここまではやる。でもそれ以上は無理をしない」というラインを、少しずつでも自分のなかに作っていくことで、心の余裕が戻ってきます。

そしてその変化は、時間はかかっても、少しずつ夫にも影響を与えます。「言わなくても全部やってくれていた状態」から、「やらないと回らない状態」に変わったとき、ようやく"気づくきっかけ"が生まれることもあるのです。

そのときがすぐに来るとは限らない。でも、あなたが自分を守る行動をとりはじめたときから、すでに小さな変化は始まっています。

夫が変わらないことに、無力感を抱いていたかもしれません。でも、あなたのほうに"選べること"はある。そのことを、忘れないでください。

自分を守るために、「選ぶ」ということ

「がまんする」か「離れる」か、だけじゃない

結婚生活に不満を感じたとき、思考は極端に振れがちです。「このまま我慢して続けるしかないのかな」 「もう別れるしか、選択肢がないのかも」

そんなふうに、「続ける」か「やめる」かの二択に追い込まれる気がしてしまう。けれど本当は、そのあいだにある"第三の選択"だって、たくさん存在します。

たとえば──

  1. 物理的に距離をとる。週末は別々に過ごす、実家に一時帰省する。
  2. 家事代行などを使って、自分だけが家を回す状況をやめる。
  3. 子どもが寝たあとの1時間は、何もしない「回復タイム」にする。
  4. 夫には伝えず、外で人と会ったり、新しい趣味を始めてみる。

これらは、見た目には"家庭は続いている"ように見える。でも内側では、あなた自身の心を守るための「選びなおし」が行われている。「結婚生活をどうするか」を決める前に、まずは「自分の気持ちを、どう扱うか」を選びなおしてみてもいいんです。

どこかで、決断しなきゃいけない。結論を出さなきゃいけない。 そう思い込んでいる自分に気づいたら、少し立ち止まってみてください。"選ぶこと"は、何も人生を大きく変えることだけではありません。 「今日の自分に、少しでも優しくする」 その積み重ねこそが、本当に必要な選択なのかもしれません。

「ちゃんと幸せになっていい」と、自分に許すこと

日々のなかで、自分のことを後回しにするのが当たり前になっている人は多いです。

食事の準備、子どもの世話、夫の仕事を気遣う言葉。 「ありがとう」と言われなくても、「わかってほしい」と言わなくても、自然とやってしまう。

でも、どこかで「こんな自分って、損な役回りだな」と感じたこと、ありませんか?それでも我慢してしまうのは、「私はこのくらいでいい」と思い込んでいるからかもしれません。

誰かに「わがまま」と思われるのが怖い。 「自分だけ楽をすること」に、どこか罪悪感がある。 だから、ちゃんと望んだり、要求したりすることをためらってしまう。

でも本当は、"幸せになること"も、"自分の気持ちを大事にすること"も、何一つ悪いことじゃない。疲れたときには休んでいい。 やってほしいことがあるなら、伝えていい。 限界を感じたら、離れてもいい。

そうやって、少しずつでも「自分を大事にしてもいい」と思えるようになると、心のなかに静かな安心が戻ってきます。そしてそのとき、ようやく本当の意味で「どう生きていきたいか」が、少しずつ見えてくるようになります。

他人に合わせるためじゃない。 家族の"正解"に自分を合わせるためでもない。 あなた自身が、自分の幸せを定義していい。「今までと違う選び方」をしたとき、人は変わりはじめます。それは、大きな一歩ではなくてもかまいません。

今日、ほんの少しだけでも、自分にやさしい選択ができたなら── それが、新しい幸せの始まりになるはずです。

よくある質問(FAQ)

「家事=女の仕事」と思っている夫にどう伝えたらいいですか?

頭ごなしに責めると反発されやすいため、まずは感情を伝えることが大切です。「あなたが悪い」という言い方ではなく、「私は負担が重くてつらい」「一緒に考えてくれるとうれしい」と、自分の気持ちを主語にして話すと、聞く側の姿勢も変わりやすくなります。

夫は「手伝ってる」と言うのですが、どう受け止めればいいですか?

「手伝う」という言葉には、家事の主体は妻という無意識の前提が含まれていることがあります。言葉に違和感を覚えるのは自然なことです。その違和感を押し込めるのではなく、「一緒にやっている感覚が持てない」と伝えることで、意識のズレに気づいてもらえる可能性があります。

家事のことで毎日イライラしてしまい、自己嫌悪になります。

イライラするのは、あなたが我慢し続けてきた証でもあります。自己嫌悪を感じるよりも、まずは「限界がきている」というサインとして受け止めることが大切です。小さなことでも「自分のための時間」や「負担を見える化する工夫」など、できるところから自分を守る選択をしていきましょう。

「幸せな結婚生活」に自信が持てなくなったとき、どうすれば?

結婚=幸せという思い込みは、多くの人が抱えがちなものです。しかし本当の幸せは、誰かの基準で測るものではありません。今の気持ちに向き合いながら、自分にとって「心地よい関係」とは何かを見つめ直す時間も、意味ある一歩です。

夫に話しても響かないとき、どうすればいいですか?

一度で分かってもらえないのは、よくあることです。感情がぶつかる前に、メモやLINEなど「冷静な手段」で伝えるのも一つの方法です。それでもすれ違いが続くようなら、信頼できる第三者(家族・相談窓口・カウンセラー)に話すことで、自分の気持ちを整理しやすくなります。