生活が苦しいと感じたら?相談窓口や支援制度を紹介

毎日の生活が経済的に苦しいと感じたとき、一人で抱え込まずに周囲の支援に頼ることが大切です。ひとり親世帯や高齢者、若年層、失業者など、どんな状況の方でも利用できる公的な相談窓口や支援制度があります。本記事では、生活が苦しいときにどこへ相談すればよいか、利用できる支援制度や日々の暮らしを乗り切る工夫、さらに将来の生活設計について、親しみやすく丁寧な言葉で解説します。苦しい状況に寄り添い、信頼できる情報だけをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

  • 生活が苦しいときに相談できる窓口は?
  • 生活支援制度について知っておくべきこと
  • 生活費が厳しいと感じたときの対策
  • 生活が苦しいときの相談先の選び方
  • 生活の安定を図るために必要なこと
生活が苦しいと感じたら?相談窓口や支援制度を紹介
2025/04/16

生活が苦しいときに相談できる窓口は?

どこに相談すれば良いのか?

経済的に行き詰まりを感じたら、まずは公的な相談窓口に連絡しましょう。市区町村には生活に関する相談を受け付ける窓口が設置されており、専門の相談員が状況を聞いて適切な支援策を一緒に考えてくれます。「就職、住まい、家計など暮らしに悩みを抱えたらまずは相談窓口にお問い合わせください」という厚生労働省委託サイトの呼びかけのとおり、悩みを抱え込まず遠慮なく相談することが第一歩です。

身近な相談先としては、市区町村役所の福祉担当課や福祉事務所があります。そこでは生活費や就職など生活全般の相談に応じており、必要に応じて支援制度の案内や手続きをサポートしてもらえます。また、地域によっては社会福祉協議会やNPO法人などが運営する無料の生活相談窓口もあります。相談は基本的に無料で、プライバシーも守られますので、安心して利用してください。

福祉事務所の役割とは

福祉事務所は、市区町村が設置する公的な福祉の窓口で、生活に困っている方々の最後のセーフティネットとして重要な役割を担っています。生活困窮者に関する相談対応や、生活福祉資金貸付(緊急小口資金など)・生活保護の申請受付など、各種支援制度の案内や手続きを一手に担う存在です。収入が減って日常生活が立ち行かなくなったときに、必要な保護や支援を迅速に提供し、健康で文化的な最低限度の生活を保障することが福祉事務所の使命です。

相談を受けた後は、担当のケースワーカー(地区担当員)が本人の自宅を訪問したり、生活状況を詳しく聞き取ったりしながら、適切な支援策を検討します。生活保護の申請がある場合は速やかに受理し、収入や資産の状況、扶養可能な親族の有無などを調査した上で、支援の可否が判断されます。支援が決定した後も、継続的に生活指導や就労支援を行い、最終的には自立へ向けたサポートが行われます。福祉事務所は、生活上の困りごとを総合的に相談できる拠点です。困窮時にはためらわず、まずは相談してみてください。

オンライン相談の活用方法

近年では、窓口に出向かなくても電話やインターネットで相談できるサービスが増えてきました。仕事や育児で日中に役所へ行く時間が取れない方や、人と直接会うことに不安を感じる方にとって、オンライン相談は心強い選択肢です。自治体や支援団体によっては、電話だけでなくメールやチャットによる相談にも対応しており、「面談はハードルが高い」「役所の受付時間に間に合わない」といった声にも応えています。たとえば、認定NPO法人もやいでは、電話が苦手な20~30代の若年層を中心に、オンラインでの相談ニーズが高まっていることが報告されています。自宅から気軽に相談できる方法として、まずはお住まいの自治体のホームページでオンライン相談の可否を確認してみてください。

もやいのような支援団体では、ウェブチャットを使った匿名相談や、AIチャットボットによる情報提供サービスなどを導入し、24時間いつでも相談者が必要な情報にアクセスできる仕組みを整えています。また、毎週決まった時間にはスタッフによるリアルタイムのチャット相談も実施されており、直接やり取りをしながら具体的なアドバイスを受けることも可能です。人とのやり取りが苦手な方にとっては、必要な情報だけを自分のペースで確認できるこうしたサービスは特に有効です。スマートフォンさえあればどこからでも利用できるため、対面や電話が負担に感じる方は、こうしたオンラインの支援サービスを積極的に活用してみましょう。

生活が苦しいときに助けになるオンライン相談の活用方法

生活支援制度について知っておくべきこと

生活保護制度の申請方法は

生活に困窮し、自力では最低限の生活も維持できなくなった場合の最後の支援策が生活保護制度です。生活保護の申請は居住地の福祉事務所で行いますが、「自分は該当するのだろうか」「手続きが難しそう」と不安に思うかもしれません。大切なのは、生活保護は憲法で保障された権利であり、必要なときには誰でも申請できる制度だということです。実際に「住むところがない人でも申請できます。まずは現在いる場所のお近くの福祉事務所へご相談ください」 (生活保護を申請したい方へ・厚生労働省)と厚生労働省も案内しています。不安な場合でも、ひとまず相談窓口で事情を話し、申請の意思を伝えましょう。

生活保護申請の具体的な手順としては、福祉事務所で「生活保護申請書」を提出することから始まります。申請自体に費用はかからず、書類がすべて揃っていなくても申し込み可能です。その後、ケースワーカーによる聞き取り調査や自宅訪問が行われ、世帯の収入・資産や親族からの援助可能性(扶養照会)の確認などが行われます。なお、親族への扶養照会についてはプライバシーに十分配慮されており、特に長年連絡を取っていない場合や家庭の事情で連絡してほしくない場合には、柔軟に対応してもらえることがあります。申請から原則14日以内(場合によっては30日以内)に支給可否の決定がなされ、保護が開始されれば申請日まで遡って生活費が支給されます。

申請時には身分証明書や収入・資産状況が分かる書類の提出が求められますが、用意できていないものがあっても「それが揃っていないと申請できない」ということはありません。福祉事務所の職員が必要書類について丁寧に教えてくれますので、心配せずに相談してください。生活保護は「最後の砦」の制度です。決して特別なことではなく、困ったときは遠慮せず利用を検討しましょう。

低所得者向けの支援制度とは

収入が低く生活が厳しい人々のために、生活保護以外にも様々な公的支援制度が用意されています。代表的なものに生活困窮者自立支援制度があります。これは就職や住まい、家計管理など生活全般に課題を抱える方に包括的な支援を行う制度で、相談支援や就労支援、家計指導などをパッケージで受けられます。各市町村に自立相談支援機関という窓口が設置されており、生活保護に至る前の段階で利用できる心強い制度です。

また、生活福祉資金貸付制度も低所得世帯を支える重要な仕組みです。これは都道府県の社会福祉協議会が実施する公的な貸付制度で、緊急的に生活資金が必要な場合や、就労までの生活再建を支援するために無利子または低利子で資金を貸し付けるものです。「生活福祉資金貸付制度」は、低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、相談支援を継続的に実施する制度です (全国社会福祉協議会)。貸付の種類には一時的な少額費用をまかなう緊急小口資金、生活再建までの当面の生活費を支える総合支援資金、教育支援資金、さらには高齢者向けに自宅を担保に資金を借りる制度などがあります。返済までの猶予期間や償還免除規定が設けられているものもあり、状況に応じて活用できます。

そのほか、対象者別の支援策も充実しています。例えば、一人親家庭には児童扶養手当という制度があり、18歳未満(一定の障害がある場合は20歳未満)の子を養育している母子家庭・父子家庭に対し、所得に応じて月々手当が支給されます。また、失業中で家賃の支払いが困難になった人には、ハローワーク等で求職活動を行うことを条件に一定期間家賃相当額を補助する住居確保給付金が用意されています。実際に「離職などで住居を失った方、または失うおそれが高い方には、一定期間、家賃相当額を支給します」という公的制度があり (厚生労働省)、住まいを失わないよう支援を受けることができます。

低所得の高齢者向けには、自治体による医療費や介護保険料の減免制度、公共料金(電気・ガス・水道料金など)の減免措置なども存在します。このように支援制度は多岐にわたりますが、重要なのは信頼できる公的制度を利用することです。民間の怪しい団体が「支援金がもらえる」と勧誘してくるケースも稀にありますが、出所の不明な話には乗らず、市役所や専門機関に必ず確認しましょう。本記事で紹介したような公的制度を上手に組み合わせれば、生活の立て直しにつながります。

制度利用の際の注意点

公的支援制度を利用する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。まず、各制度ごとに利用条件や手続きのルールが定められているため、事前にしっかり確認することが大切です。例えば、生活保護では収入や資産に一定の基準があり、生活福祉資金貸付では原則として将来的に返済が必要です。制度の説明資料をよく読み、不明な点は窓口で質問して納得した上で申請しましょう。

次に、提出書類の不備や報告漏れがないように注意しましょう。支援を受ける際には収入証明や預貯金通帳、本人確認書類など様々な書類提出が求められます。具体的には「認印、通帳(世帯の全ての口座)、健康保険証、給与明細や年金通知などの収入関係書類、不動産・車両・保険証券などの資産関係書類」等を用意する必要があります (生活保護申請方法・伊豆の国市)。書類の準備に時間がかかる場合でも、まず申請だけ先に行い後から提出することも可能です。ただし、後日の提出期限を守ることや、収入状況が変わったときに速やかに届け出ることは利用者の責任となります。ルールを守って正しく制度を利用しましょう。

また、公的支援を受けることに抵抗や不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、制度は困っている人を助けるために用意されたものであり、決して恥ずかしいことではありません。必要な間は支援を受け、生活が安定したら自立に向けて努力を続ければ良いのです。反対に、闇金融から高利の借金をしたり、ギャンブルで一発逆転を狙ったりするのは絶対に避けてください。それらは一時しのぎどころか、生活をさらに悪化させてしまう危険があります。公的制度と周囲のサポートを上手に活用し、生活再建への一歩を踏み出しましょう。

生活費が厳しいと感じたときの対策

家計の見直し方法

日々の生活費が足りないと感じたら、まずは家計の見直しを行いましょう。現状の収支を把握することが出発点です。収入と支出を書き出し、家計簿やスマートフォンのアプリでお金の流れを「見える化」します。何にいくら使っているかを把握すると、節約できる余地が見えてくるものです。例えば、毎月の食費や光熱費、通信費などを洗い出し、どれが削減可能か検討してみましょう。家族がいる場合は一緒に家計を確認し、無理のない節約目標を共有することも大切です。

支出を見直す際は、固定費と変動費に分けて考えると効率的です。固定費とは毎月決まって出て行く支出(家賃・ローン、保険料、通信費など)、変動費とは月によって増減する支出(食費、日用品費、娯楽費など)です。一般的に、節約効果が高いのは通信費や保険料などの固定費と言われています。専門家も「支出削減効果が高いのは、ローンや家賃、保険料などの固定費です」と指摘しています。固定費は一度見直して契約を変更すれば、以降ずっと支出を減らせるため効果が大きいのです。

生活費が厳しいと感じたときの対策ー家計の見直し方法

具体的な見直し方法としては、まず通信費では携帯電話のプランを格安SIMに変更したり、使っていない有料サービスを解約したりすることが挙げられます。保険料については後述する「生活保険の見直し」で詳しく述べますが、本当に必要な保障内容か検討し、過剰な保険は減らすことを考えましょう。住宅費では、可能であれば家賃の安い物件への引っ越しや住宅ローンの借り換えを検討する手もあります。ただし引っ越しには初期費用がかかるため、長期的な損益を見積もることが必要です。

変動費の節約も少しずつ進めましょう。食費は特売日を活用してまとめ買いし、自炊を基本にするだけでも大幅に節約できます。一週間の献立を立てて無駄のない買い物を心がけると、余計な出費が減ります。水道光熱費も、使っていない部屋の照明を消す、エアコンの設定温度を適切にする、短時間で入浴を済ませるなど、小さな工夫の積み重ねで節約可能です。

家計の見直しは一度やれば終わりというものではなく、継続的な管理が重要です。毎月決まった日に収支をチェックし、目標通りに節約できているか確認しましょう。苦しい家計を立て直すには時間がかかる場合もありますが、少しずつでも改善していけば確実に効果が出てきます。一人で難しければ、信頼できる友人や家族に相談したり、ファイナンシャルプランナー(FP)に家計相談をお願いするのも良い方法です。公的機関や社会福祉協議会でも家計相談を受け付けている場合がありますので、必要に応じて活用してください。

節約術と生活費の削減

日々の生活費を減らすための節約術をいくつかご紹介します。無理なく実践できる方法から始めてみましょう。まず大切なのは「小さな節約を積み重ねる」意識です。一度に生活レベルを大きく下げるのは精神的にも辛く長続きしません。例えば、毎日買っていた缶コーヒーをマイボトルの水筒に切り替える、コンビニではなくスーパーでまとめ買いする、といった小さな工夫を重ねましょう。

食費の節約は効果が現れやすい分野です。外食や中食(お惣菜やお弁当)を減らし、できる範囲で自炊に切り替えます。まとめ買いや作り置きを活用し、安い食材でボリュームのあるおかずを作れば、食費は確実に抑えられます。特売やクーポンも積極的に利用しましょう。ただし栄養バランスを崩すほど切り詰めるのは健康に良くないので、「安くても栄養のある食事」を心がけてください。

水道光熱費の節約も毎月の負担軽減につながります。電気代節約には、LED照明への切り替えや冷暖房の効率的な使用(冷房は28℃設定、暖房は20℃設定を目安にする等)が有効です。不要な待機電力を減らすため、使っていない家電はコンセントから抜く習慣をつけましょう。ガス代・水道代については、湯沸かしは必要な分だけ行う、一度のお風呂で家族続けて入浴する、洗濯はまとめて行うなどの工夫でコストダウンできます。

通信費や娯楽費の節約も検討しましょう。スマートフォンの通信プランを見直して過剰なデータ容量契約を避ける、使っていないサブスクリプションサービス(月額課金)を解約するだけでも月々数千円の節約になることがあります。ケーブルテレビや動画配信サービスも重複して契約していないか確認し、本当に必要なもの以外は解約を検討します。娯楽もお金をかけずに楽しむ方法を探しましょう。図書館を利用して本やDVDを借りる、公園での散歩や自宅でできる趣味に時間を使うなど、お金を使わなくてもできるリフレッシュ方法はたくさんあります。

節約生活を続ける上で大事なのは、ストレスをためすぎないことです。切り詰めすぎて心が疲れてしまっては本末転倒です。週に一度はちょっとしたご褒美デーを作って好きなスイーツを楽しむ、安価でも質の良いリラックス方法(例えば自宅でアロマを焚くなど)を取り入れるなど、メリハリをつけましょう。「節約=我慢」だけにならない工夫をすることで、長期的に節約を継続しやすくなります。

最後に、節約で浮いたお金は「なかったもの」と考え、決して油断して使い切ってしまわないことです。浮いた分はできれば貯蓄や返済に回し、生活再建の原資に充てましょう。地道な節約の積み重ねが経済的な余裕を生み出し、生活苦から抜け出す助けになります。

資金調達の方法は

手元のお金が底をつきそうなとき、緊急で資金を調達する方法もいくつかあります。ただし、生活費の工面で一番避けなければならないのは、闇金など違法な高利貸しに手を出すことです。それを避け、安全な方法で必要な資金を確保しましょう。

まず検討したいのが、公的な貸付制度の利用です。先にも触れた社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度では、「緊急小口資金」という枠組みで少額のお金を無利子で緊急貸付してもらえる場合があります。急な失業や収入減で一時しのぎのお金が必要なときには、市区町村の社会福祉協議会に相談してみましょう。必要最低限の金額を借り受け、生活再建後に分割で返済する形ですので、金融機関からの借入れに比べて負担が軽く済むことが多いです。

もし失業している場合で、前職で雇用保険(失業保険)に加入していたなら、失業手当(基本手当)の受給手続きを進めてください。ハローワークで求職の申請をすれば、離職前の収入に応じた一定額の給付金を受け取れます。給付期間中はハローワークを通じて再就職活動を続ける必要がありますが、収入のない期間の生活費として大きな助けになります。雇用保険に未加入で失業してしまった場合でも、求職者支援制度といって職業訓練を受講しながら月10万円程度の手当を受け取れる制度もありますので、諦めずに職業安定所で相談してみましょう。

公的制度以外では、身近な人からの一時的な借り入れも選択肢の一つです。ご両親や親戚、信頼できる友人などに事情を説明し、無理のない範囲でお金を貸してもらえないか相談することも考えられます。ただし、この場合も返済の約束はきちんと守ることが大前提です。口約束では後々トラブルになりかねないので、借用書を交わすなどお互いに安心できる形にしましょう。

そのほか、自宅にある不用品を現金化する方法もあります。例えば使っていないブランド品や家電製品があればリサイクルショップやインターネットのフリマアプリで売却できます。高額なものでなくても、まとまった数を整理すれば生活費の足しになるかもしれません。さらに、生命保険に加入している場合は契約者貸付制度(解約返戻金の一部を貸付)を利用してお金を借りることもできます。この制度を使うと保険を解約せずに一定額を借りられますが、利息が発生しますし保障額が減るデメリットもありますので注意が必要です。

いずれの方法を取るにしても、借りたお金は将来的に返済しなければならないことを念頭に置きましょう。公的支援でも貸付であれば返済義務がありますし、親しい人からの借金でも信頼を裏切らないためには計画的な返済が欠かせません。計画なく安易に借りてしまうと、後から家計をさらに圧迫する恐れがあります。どうしても必要な資金を最低限にとどめ、今後の収入の中で返済計画を立てられる範囲で利用することが大切です。

生活が苦しいときの相談先の選び方

地域の相談窓口の探し方

自分の住んでいる地域で利用できる相談窓口を探すには、いくつかの方法があります。まず一番確実なのは、市区町村役所の福祉担当課に問い合わせることです。電話や直接訪問で「生活が苦しくて相談したい」と伝えれば、担当部署や窓口を案内してもらえます。自治体の公式サイトでも、「生活にお困りの方へ」といったページで相談窓口情報を掲載していることが多いので、インターネットに慣れている方は役所のホームページを確認してみましょう。

生活が苦しいときは自治体の公式サイトをリサーチして相談

また、厚生労働省が委託する情報サイト「みんなつながるネットワーク」では、都道府県別に自立相談支援機関(生活困窮者の相談窓口)の一覧を見ることができます。このサイトではお住まいの地域を選ぶと、該当する相談窓口の名称・電話番号・所在地などが確認できます。自分で調べて直接連絡することもできますし、サイトに掲載がなくても自治体に問い合わせれば必ず窓口は見つかりますので安心してください。

そのほか、社会福祉協議会や地域包括支援センター(高齢者支援)、子育て世帯向けの子ども家庭支援課など、対象分野ごとの相談窓口も地域に存在します。例えば高齢者であれば地域包括支援センター、一人親家庭であれば自治体の子ども家庭課や母子自立支援員などが相談に乗ってくれます。自分の状況に合った窓口が分からない場合でも、たらい回しを恐れる必要はありません。どの窓口に相談しても、必要に応じて適切な部署や機関を紹介してもらえます。まずは思い切って「困っている」ことを伝えることが解決への第一歩です。

相談内容に応じた窓口の選定

相談したい内容によって、適切な窓口を選ぶこともポイントです。経済的な支援全般を求める場合は前述の自立相談支援機関や福祉事務所が総合窓口となりますが、内容によっては専門機関のほうがスムーズなケースもあります。

例えば、仕事を探して収入を確保したいということであれば、ハローワーク(公共職業安定所)が最適な窓口です。ハローワークでは求人情報の提供や職業相談、職業訓練のあっせんなど、就労支援を専門的に行っています。履歴書の書き方指導や面接対策セミナー等も開催されており、仕事探しに関する悩みを幅広く相談できます。特に失業給付の手続きもハローワークで行いますので、失業中の方は真っ先に訪ねるとよいでしょう。

借金や多重債務で苦しい場合には、自治体の消費生活相談や法テラス(日本司法支援センター)など法的な支援機関が頼りになります。消費生活センターでは悪質業者との契約トラブルや債務整理についてアドバイスを受けられますし、法テラスでは弁護士や司法書士による無料相談を通じて自己破産や債務整理手続きの支援を紹介してもらえます。借金問題は専門知識が必要な分野ですので、早めに法律の専門家につなげてもらうことが解決への近道です。

心の相談やメンタル面の支援が必要なときは、電話相談の窓口や専門の相談ダイヤルが各種用意されています。例えば、誰にも言えずに孤独を感じている場合は「いのちの電話」など24時間対応の電話相談がありますし、自治体でも精神保健福祉センターや保健所で心の健康相談を受け付けています。経済的な問題とメンタルヘルスは密接に関係していることも多いため、心が辛いときは無理をせず専門家に気持ちを話してみることも大切です。

家庭内の問題(DVや虐待、介護疲れなど)が絡んで生活が苦しい場合には、各分野の専門相談につなげることが重要です。DVであれば配偶者暴力相談支援センターや警察、児童虐待であれば児童相談所、高齢者の介護負担であれば地域包括支援センターなど、それぞれ専門の窓口があります。まず生活上の悩みとして福祉事務所等に相談し、必要に応じて関係機関と連携しながら問題解決を図っていく流れになります。

このように相談内容に合った窓口は様々ですが、窓口選びに迷ったら遠慮なく近場の公的機関に相談してみることです。「ここではない」と言われる心配は要りません。どの機関も困っている人を助けたいという思いでつながっていますから、一つ電話をかければ、親切に道筋を示してくれるでしょう。

相談時に必要な書類は

相談窓口を訪ねる際、「どんな書類を持って行けばいいのだろう?」と心配になるかもしれません。結論から言えば、事前に準備できる書類があればベストですが、必須ではないことが多いです。相談が目的の段階であれば、まずは口頭で状況を説明するだけで十分なケースもあります。ただし具体的な支援制度の申請手続きに移る可能性もあるため、用意できるものは揃えておくと手続きがスムーズです。

基本的に本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証など)はどの相談でも提示を求められることが多いです。加えて、現在の収入や資産状況を示す書類があると良いでしょう。給与明細や源泉徴収票、失業中であれば離職票や雇用保険受給資格者証、年金生活であれば年金証書や支給額通知書などです。預貯金通帳も直近の記帳を済ませたものを用意しておくと、資産状況の確認に役立ちます。

もし書類を紛失していたり入手が難しい場合も、相談員にその旨を伝えれば対応策を考えてくれます。役所内部で取得できる証明書は取り寄せを代行してくれることもありますし、足りない書類があってもすぐに追い返されるようなことはありません。むしろ「今手元になくても大丈夫ですよ、一緒に進めていきましょう」というスタンスで支援してもらえます。必要なのは困っている現状を正直に伝えることと、お願いされた書類があればできる範囲で協力して提出することです。

相談の際は、メモやペンも持参すると良いでしょう。支援制度の名前や手続きの手順、今後準備する書類など、聞いたことをメモしておけば後から役立ちます。話をすると緊張して細かい点を忘れてしまうこともありますから、遠慮せずメモを取るようにしましょう。窓口の担当者の名前も控えておくと、後日問い合わせる際にスムーズです。

最後に、相談するときは落ち着いて自分の状況を伝えることを心がけましょう。伝えにくい事情もあるかもしれませんが、正確な情報があるほど適切な支援につながります。必要書類は後からでも揃えられますので、「話をするだけでもしてみよう」という気持ちで、一歩踏み出してみてください。

生活が苦しいときの相談先の選び方

生活の安定を図るために必要なこと

収入の確保と仕事探し

生活を安定させる上で避けて通れないのが、収入の確保です。支出を減らす努力と並行して、できる限り収入を増やす方向も模索しましょう。現在無職の方は、まずハローワークに登録して仕事探しを始めることが重要です。

生活の安定を図るために必要なことーまずハローワークに登録して仕事探しを始める

ハローワークでは求人紹介だけでなく、履歴書の書き方や面接対策のセミナー、各種職業訓練の案内なども行っています。職歴に不安がある若年層には、地域若者サポートステーション(サポステ)という相談窓口で就労支援プログラムを受けられる場合もありますので、活用を検討してください。

失業保険の受給は忘れずに手続きを行いましょう。雇用保険に加入していた人が失業した場合、離職理由や勤続年数にもよりますが、所定期間のあいだ失業給付金(基本手当)を受け取ることができます。これにより当面の生活費をある程度賄いつつ、腰を据えて求職活動をすることが可能です。ハローワークで失業の届け出と求職申請を行うと手続きが進みますので、会社都合・自己都合を問わず離職したら早めに手続きしてください。

新たな仕事を探す際は、収入面だけでなく自分の状況に合った働き方を考えることも大切です。小さなお子さんがいるひとり親の方なら、託児の支援がある職場や在宅でできる仕事を探す、シニア世代であれば無理のない短時間勤務を選ぶなど、自分や家族の状況に応じて仕事を選ぶ視点も必要です。最近では、自治体が主催する就労相談会や企業説明会、再就職支援セミナーなども開催されています。無料で履歴書用の写真撮影やスーツの貸出を行うNPOのサービスもありますので、経済的負担をかけずに就活を進める工夫もしてみましょう。

副業や在宅ワークの活用も収入確保の一手です。現在の収入源が一つだけだと不安な場合、空いた時間でできる範囲の副業に挑戦してみるのも良いでしょう。たとえば、インターネットを利用した簡単な在宅ワーク(アンケートモニターやライティング業務など)や、週末だけの単発アルバイトなどがあります。大きく稼げなくても月に数千円から数万円の副収入が得られれば、家計にとっては助けになります。ただし、副業を始める際は本業との兼ね合いや体力・時間の負担を考慮し、無理のない範囲で行うことが大切です。

一方、病気や介護などで今すぐ働くのが難しい方もいるでしょう。その場合は、焦らず治療や介護サービスの調整を優先してください。症状が落ち着いたり介護体制が整った段階で、ハローワークに事情を伝えて自宅に近い職場や在宅勤務可能な仕事を探すなど、段階を踏んで復職を目指しましょう。必要であれば障害者雇用枠や特例子会社の求人を検討することもできます。行政や専門機関と相談しながら、自分に合った収入源を確保する道を探っていくことが大切です。

生活保険の見直し

毎月の支出を減らし生活を安定させるために、保険の見直しも検討しましょう。ここで言う「生活保険」とは、民間の生命保険や医療保険、各種損害保険など、生活に関わる保険全般を指します。保険料は家計の中で大きな固定費になりやすく、その内容を見直すことで無駄な支出を減らせる可能性があります。

まず、自分が加入している保険の一覧を書き出し、月々支払っている保険料の合計を把握しましょう。続いて、それぞれの保険について「本当に今の自分に必要な保障か?」を考えます。例えば、独身で扶養家族がいないのに高額な死亡保険に入っている場合、その保険は見直しの余地があります。また、医療保険も公的医療保険や高額療養費制度である程度カバーできる場合、過剰な保障内容になっていないか点検します。

また、見直しというと解約や減額ばかり考えがちですが、必要な保険にちゃんと入っているかも確認しましょう。特に健康保険や年金といった公的保険は、生活を安定させる土台です。会社を辞めて健康保険がなくなった場合は国民健康保険への加入手続きを忘れずに行いましょう。収入が減って保険料の支払いが困難な場合、国民健康保険料は自治体によって減免制度がありますし、国民年金保険料も全額免除や一部免除・納付猶予の制度があります (国民年金保険料の免除制度・栃木市役所)。こうした公的保険料の減免申請は役所に相談すれば手続きできますので、生活が厳しいときは遠慮なく利用してください。

民間の保険についても、もし保険料の支払いが一時的に難しくなった場合は保険会社に相談すると良いでしょう。契約によっては一定期間保険料の払込を猶予してもらえたり、契約者貸付で保険の解約返戻金の範囲内でお金を借りられる制度もあります。ただし、契約者貸付はあくまで借入であり利息も発生しますので、先述の公的貸付制度などと比較し、どちらが有利か検討してください。

いずれにせよ、保険は人生のリスクに備える重要なものですが、生活を圧迫するほど高額な保険料を支払っていては本末転倒です。必要な保障は維持しつつ、無駄や過剰を削ぎ落とすバランスが大切です。一度加入したまま見直していない保険があれば、この機会に内容をチェックして、適切な保障と保険料に調整しましょう。それによって毎月の固定費にゆとりが生まれれば、その分を貯蓄に回すこともでき、将来の安心につながります。

長期的な生活設計について考える

目先の生活を乗り切ることに精一杯の状況ではありますが、少し落ち着いてきたら長期的な生活設計についても考えてみましょう。ここで言う生活設計とは、数年先、十数年先を見据えた家計のプランやライフプランのことです。長期的視点を持つことで、日々の行動やお金の使い方にも指針ができ、生活の安定につながります。

まず取り組みたいのは、緊急予備資金を準備する計画です。生活が苦しくなった経験を踏まえ、将来また何かあったときに備えて、少しずつでも蓄えを持てるよう計画しましょう。たとえば、「まずは1ヶ月分の生活費を目標に貯金する」「それが達成できたら次は3ヶ月分」といった段階的な目標を設定します。最初は難しく感じるかもしれませんが、節約術で捻出したお金や臨時収入があったときにはその一部を必ず貯蓄に回す習慣をつければ、徐々に貯金が増えていきます。緊急予備資金があれば、予期せぬ出費や収入減があっても直ちに生活困窮に陥るリスクを下げられ、心の安心感も違ってきます。

次に、将来の収支見通しを立ててみましょう。現在の収入がこのまま続いた場合、または転職や昇給で増えた場合、あるいは減った場合など、いくつかシナリオを考えて家計のシミュレーションをします。お子さんがいる方は進学にかかる費用、マイホームの購入やリフォームを考えている方はその資金計画、老後の年金見込み額なども盛り込みます。具体的に数字を書き出すことで将来の資金需要が見えてきますので、今から準備すべきこと(貯蓄や保険加入、資産運用など)が明確になります。

長期計画を考える際、専門家の力を借りるのも有効です。ファイナンシャルプランナー(FP)による無料相談を利用すれば、第三者の視点で家計や資産計画を見直してもらえます。最近ではネットから申し込める無料のFP相談サービスもあり、お金のプロがその人の生活スタイルに合わせた支援制度の選び方や節約方法、資産形成の方法まで提案してくれるケースもあります。相談実績が豊富な専門家と一緒にプランを練ることで、自分では気付かなかった改善点が見つかるかもしれません。

そして、忘れてはならないのが健康管理とスキルアップです。長期的に安定した生活を送るには、心身の健康と職業能力の維持向上が土台となります。定期的に健康診断を受け、病気の早期発見・予防に努めましょう。健康であればこそ働いて収入を得ることができ、医療費の負担も抑えられます。また、余裕が出てきたら仕事に関連する資格取得やスキルアップにもチャレンジしてみてください。職業訓練や夜間の学校、通信講座など、学び直しの機会は探せば見つかります。新たな資格やスキルは将来的に収入を増やす武器になり得ますし、自己肯定感を高める効果もあります。

最後に、長期計画といっても状況は刻々と変化しますから、定期的に見直すことが必要です。年に一度でも「ライフプランの点検日」を設けて、収入や支出の変化、家族構成の変化などに応じて計画をアップデートしましょう。柔軟に計画を修正しながらも、大きな目標(例えば「5年後に貯蓄○○万円」「将来的に安定した職に就く」等)を見失わないことが大切です。長期的な視野に立ってコツコツと努力を積み重ねれば、必ずや生活は安定し、豊かな未来が開けてくるはずです。

生活が苦しいと感じるとき、人は孤独になりがちです。しかし、日本には困ったときに支え合うための制度や人のつながりがあります。どうか一人で抱え込まず、今回紹介した相談窓口や支援制度を活用してみてください。あなたの状況に寄り添い、一緒に解決策を考えてくれる人は必ずいます。適切な支援とご自身の工夫で、きっと今の苦しい状況も乗り越えられるでしょう。

よくある質問(FAQ)

生活保護の申請は恥ずかしいことですか?

生活保護は憲法で保障された権利であり、必要なときに利用することは決して恥ずかしいことではありません。誰でも予期せぬ事情で生活が苦しくなることがあります。

大切なのは、困ったときに適切な支援を受け、生活を立て直すことです。

申請時のプライバシーは守られますし、将来的に状況が改善したら自立することを目指せばよいのです。自分や家族の生活を守るために、必要な支援は遠慮せず利用しましょう。

福祉事務所に行くとき、初めての相談でも大丈夫ですか?

初めての相談でも全く問題ありません。福祉事務所の職員は、さまざまな状況の方の相談に日々対応しているプロフェッショナルです。

まずは「困っている」と伝えることが第一歩です。

必要な書類がすべて揃っていなくても、まずは相談だけでも受け付けてくれます。不安な場合は事前に電話で「初めて相談したい」と伝えておくと、より安心して訪問できるでしょう。

社会福祉協議会の貸付制度は本当に審査なしで借りられますか?

社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度には、一定の審査があります。ただし、銀行などの金融機関と比べると、低所得者や生活困窮者の状況に配慮した柔軟な審査基準となっています。

緊急小口資金などは、比較的短期間で審査され、必要性が認められれば速やかに貸付が行われます。

貸付の種類によって審査基準や必要書類は異なりますので、まずは地域の社会福祉協議会に相談してみることをおすすめします。

家族に生活苦を知られたくないのですが、相談内容は漏れませんか?

相談窓口や支援機関では、プライバシーは厳格に守られます。相談内容が家族や周囲の人に漏れることはありません。

特に生活保護の扶養照会(親族への問い合わせ)についても、DV被害や絶縁状態など特別な事情がある場合は、柔軟に対応してもらえます。

不安な点は相談時に「家族に知られたくない」と伝えれば、プライバシーに配慮した対応をしてもらえますので、安心して相談してください。

オンライン相談は匿名でもできますか?

支援団体によっては、匿名でのオンライン相談に対応しているところもあります。記事で紹介されているNPO法人もやいなどでは、ウェブチャットを使った匿名相談を受け付けています。

直接対面での相談に抵抗がある方も、オンラインなら自分のペースで相談できる利点があります。

ただし、具体的な支援を受ける段階では、身分確認が必要になる場合が多いです。まずは匿名で相談し、信頼関係が築けてから次のステップに進むことも可能です。